わたし達はおっさんになっても「Butter-Fly」を歌うのか

時を戻そう。大学1年生の4月、わたしは同じ学部学科の男女6人ほどでカラオケに行った。

大学1年生の4月の頃なんて、てめえの名前と顔しか知らねえ状態よ?いや、名前ですらあやふやな状態だろ。

すげえよな若い力って、佐伯孝雄もビックリだと思う。

 

そんな中、1人の男が和田光司の「Butter-Fly」デンモクに入れた。 

言わずと知れたアニメ「デジモンアドベンチャー」のOPテーマ。20代なら知ってるよね。

 

すげえ盛り上がった。わたしは正直おどろいた。

ああ、わたし達の世代でも皆で歌って盛り上がれる曲があるんだな、と。

 

 

改めて考えてみると、同世代の知らねえ人間どうしが盛り上がれる楽曲があるってすごいことじゃね?

大学1年生の4月、何ら人生の歴史を共有していない人間らの心がひとつになるんですよ、シンプルにヤバい、バイブスが上がる。そしてお前らは誰だ。

 

そこで、私は考えた。


わたし達はおっさんになっても「Butter-Fly」を歌うのか?

 

何で急にこんなこと考えたのかっていうと、おっさんがBPM早い曲歌ってるの聞いたことあるか?わたしは良くて、星空のディスタンスくらいしか聞いたことが無い。とってもベイビーカムバックである。

 

しかも、おっさんがゴキゲンな蝶になって、きらめく風に乗っているのヤバくね?」

ただの酔っぱらいじじいですやん、めちゃくちゃシュール。

 

思ってしまったのなら仕方ない。わたしはこの問題について考えてみることを決めた。

えーん、Butter-Fly大好きだよう、おっさんになっても歌わせてくれい。

 

 

「みんなが知らない曲は選曲しない」という不文律

 

え、ありますよね?この不文律。

みんなが知らない曲なぞ選曲しようものならば、白い目で見たるぞー!的なアレ。

多分これ、全世代の共通認識としてあるんじゃね?

 

だから、知らない人間とカラオケに行くときは、特に選曲に気を使う。

絶対にMr.ChildrenのシングルB面の曲とかWACKの曲なんて絶対に入れないんだから!!!!酒が入った場合は知らん。

 

でも、いざみんなが知っている曲を選曲しようと考えたとき、自分の手札にそれほど切れるカードがないことに気づく。

あれ?わたしたちの世代ってみんなが知っている曲そんなに無くね?ORANGE RANGEなんて、そう何曲も連続して入れるもんでもねえだろ...と。

 

みんなどうしてんの、こんな時?

わたしは「爪爪爪」を歌って全部イーブンにする。終戦争、手札5枚捨てまーす。

 

 

上の世代の方が選択肢、多いことない?

 

私たちの世代よりも、テレビが超強い時代を長く生きてきた上の世代の方が「みんなが知っている曲」が多いと思うんですよ。

理由は簡単。テレビが超強いから。テレビから供給される情報が最強時代ということになる。テレビから供給される情報が全て。えっへん!

 

それに比べてわたし達の世代ってテレビ超強い時代をあんまり生きてきてないんですよね、むしろネット超強い時代の方が長く生きている。

 

でも、ネットが超強いからといって、テレビが超強いのとはワケが違う。

そもそも、ネットのすごい所って、各個人がそれぞれ自分の表現したいものを届けられる環境が整ったところにある。テレビ局を介さなくともね。

 

そして、テレビから供給される情報以外の色んな情報がネットを介して私たち受け手の下に届くようになった。

そのため、情報の受け手は、様々な発信源から供給された情報を取捨選択することが可能となった、っちゅーわけである。

 

そう、つまり

テレビから供給される情報が捨てられる可能性が生じた。

 

ということである。

ひえー、テレビ超強い時代からは考えられないね。

 

そして、その情報の取捨選択の結果、

それぞれの好みの情報をカスタマイズした各個人が完成した!

 

これじゃあ、私たちの世代で「みんなが知っている曲」の数が少なくなるのも無理ない希ガス

 

結局、わたし達はおっさんになっても「Butter-Fly」を歌うの?

 

いや、歌わざるを得ないと思いますよ、わたしゃ。

知らない人とでもカラオケを楽しみたいなら。

 

正直、羨ましいんだよな。

みんなの知っている曲が沢山ある上の世代が。

だって絶対正直楽しいでしょ。知っている曲が沢山あるカラオケの方が。何も考えなくても楽しい。

そりゃあ、自分の知らない曲と出会うチャンス!とか、なんとか工夫して楽しむ方法は色々あると思いますよ。

 

だけど、

 

知らねえ人間が歌っている知らねえ曲を誰が聞きてえんだ!!!

 

という不文律、やっぱりあるじゃん。

そしたら、おっさんになってもゴキゲンな蝶になるしかないよね!という話。

 

まあ、知らねえ人間とカラオケに行かなきゃいいじゃん!で終わる話なのかもしれないけれど。本当にそれはそう。

 

さいごに

まあ、わたしはこんな記事を書いておいてなんではあるが、知っている人間とカラオケに行く際はバリバリ自分の趣味の曲を歌う。

ごめんてお友達。だから私も全然気にならないよ、心配しないでお友達。

 

だから、わたしはおっさんになってもゴキゲンな蝶になるし、イケナイ太陽にもなる覚悟だってもちろんある。NA~NA~NA~NANANA~NANA~する覚悟だってある。

 

え?26歳は既におっさんだって?うるせえ